FACTFULNESS(ファクトフルネス)は何故売れ続けるのか

随分前に要約サイトでざっとチェックしたきりで、あまり興味もなく
どちらかというとスルーしていた。
しかしAmazonでも随分と長い間ベストセラーを維持しているし、
たいていの本屋では一番目立つ位置に平積みされている。

 

 

となると、興味は何故あまり一般的とも思えないどちらかというと
お固いビジネス書が受けているのか俄然気になる。

ということでついに読むことを決意。
9月中旬ぐらいに読み始め、スキマ時間を活用したとはいえ、
その分量と決してすらすら頭に入る内容とは言えないこともあって、
ほぼ1ヶ月ぐらい読了までかかった。
ちなみに最後の方は注釈とデータ集になっていてそこそこページ数を
さいている。

読んでわかったことだが、この作品は作者であるハンス・ロスリングの
懺悔の書であるということだ。
それはかなり最後の方に記載されているのだが、この後悔すべき出来事を
告白する意図もあって、この作品がかかれたのではないかと想像した。
ぜひ読んでいただきたいが、なかなか衝撃的な話である。
そしてこの作者はとても熱い人物だ。実は既に亡くなっていると聞けば
なおさらだ。
その熱さゆえに、退屈だとは感じることなく最後まで読ませる内容に
なっている。

「自分の認識を疑い、事実を見よ」という作者のメッセージは
作品中何度となく呼びかけられる。
日本人だからとかアメリカ人だからとか関係なく、国籍を超えて
すべての「人間」が読んでおくべき本なのだろう。
ある意味、知らないことは罪である とすら訴えかけられてくる
気がするほどだ。
必読だとまでは言う気はないが、常識をアップデートするという意味では
有益であることは間違いない。
この作品を読んだおかげで、日経新聞をより興味をみって深く読めるように
なったのは予期せぬ収穫となった。