禁酒を実現するために必要なたった一つのコツ

自分は特に酒好き、というわけでもないのだが、なんというか惰性でほぼ毎日読んでいた。日替わりでビール、ウイスキー、焼酎、ワインといった具合で。
唯一日本酒は酔いも強いし太るので、避けるようにはしていたが。
以前はそれほどでもなかったと思うが、コロナ下では毎日の変化も減って、それが一層飲酒に拍車をかけたという側面も強い。
漠然とだが、どうにかしないとなぁとは思いつつも、そのまま手つかずの状態だった。

ところがAmazonで売れている本をそれとなしに眺めていたら、「そろそろ、お酒やめようかな」という一風変わったタイトルの本が目の前に現れた。
自分にドンピシャなタイトルだ!

 

 

ものは試しと早速自分も始めてみることに。
どのみち今は緊急事態宣言中で、お店では酒類は提供されないし、知人が集まっての飲食も基本的にない。
見方を変えれば、これほど禁酒に取り組むのに絶好の機会はないのだ。

というわけで、早速取り組み始めた。
結果はというと、今日でまさかの禁酒13日目に突入した。
意外なことに、思っていたよりも苦ではなかった。
その要因は以下の通り。

 

<成功要因>
・緊急事態宣言という好機
・禁酒により得られるメリットが無限大

そしてメリットは以下の通り。

 

<禁酒のメリット>
・生活が安定する
・痩せる(現時点で1kgほど)
・つまみが不要になる。
・ご飯を美味しく感じる
・夕方以降、就寝までの時間を有意義に過ごせる
・仕事の効率が飛躍的に高まる
・睡眠の質改善、朝までよく眠れる
and more

 

デメリットは、、、考えてみたけどないな(笑)。

ただ、禁酒のコツを一つ上げろといわれればこれだろう。


「1日のご褒美をつくる」

 

なんでもいいと思うが、例えば、美味しいデザートを用意したり、読みたい本を買ってみたり、趣味などで少し贅沢をしても良いだろう。

道のりはまだ長いが、無理せず続けていきたい。
30日継続できれば安定するらしいので、もうひと踏ん張りだな。

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス)は何故売れ続けるのか

随分前に要約サイトでざっとチェックしたきりで、あまり興味もなく
どちらかというとスルーしていた。
しかしAmazonでも随分と長い間ベストセラーを維持しているし、
たいていの本屋では一番目立つ位置に平積みされている。

 

 

となると、興味は何故あまり一般的とも思えないどちらかというと
お固いビジネス書が受けているのか俄然気になる。

ということでついに読むことを決意。
9月中旬ぐらいに読み始め、スキマ時間を活用したとはいえ、
その分量と決してすらすら頭に入る内容とは言えないこともあって、
ほぼ1ヶ月ぐらい読了までかかった。
ちなみに最後の方は注釈とデータ集になっていてそこそこページ数を
さいている。

読んでわかったことだが、この作品は作者であるハンス・ロスリングの
懺悔の書であるということだ。
それはかなり最後の方に記載されているのだが、この後悔すべき出来事を
告白する意図もあって、この作品がかかれたのではないかと想像した。
ぜひ読んでいただきたいが、なかなか衝撃的な話である。
そしてこの作者はとても熱い人物だ。実は既に亡くなっていると聞けば
なおさらだ。
その熱さゆえに、退屈だとは感じることなく最後まで読ませる内容に
なっている。

「自分の認識を疑い、事実を見よ」という作者のメッセージは
作品中何度となく呼びかけられる。
日本人だからとかアメリカ人だからとか関係なく、国籍を超えて
すべての「人間」が読んでおくべき本なのだろう。
ある意味、知らないことは罪である とすら訴えかけられてくる
気がするほどだ。
必読だとまでは言う気はないが、常識をアップデートするという意味では
有益であることは間違いない。
この作品を読んだおかげで、日経新聞をより興味をみって深く読めるように
なったのは予期せぬ収穫となった。

 

キーボード選び:英語配列を断念した理由

巷では英語配列(US配列)を推す声をよく聞く。
その理由を整理するとおおむね以下のようである。
 ・Enterキーが近くなる
 ・BaxkSpaceキーが大きく押しやすい
 ・キー配列が理にかなっている

 

自分もそのうような声が気になり、たしかに机上では合点がいき、
試してみたいという誘惑に勝てなくなった。

 

US配列のキーボードを手に入れて打ってみたのだが、どうもうまく行かない。
それでも無理やり使ってみたが、ストレスが減るどころかどんどん増えるばかり。
自分が感じたストレスはざっと以下の通りだ。
 ・Enterを押そうとするとついついEnterの上のキーを叩いてしまう
 ・@がない
 ・OSの設定をJIS配列のままにしておくと、記号の対応付けがわからなくなる
 ・いろいろ工夫してみても、IMEのON/OFFがどうにも面倒くさい

 

自分なりにはキー変更のソフトを入れたりしてカスタマイズしてみたのだが、
結論として英語配列の使用を断念した。
やはり普通に日本語を入力するのであれば、JIS配列に勝るものはないという
のが自分の結論だ。
変換、無変換キーもうまく使えば便利である。

 

もちろんこれは個人差の問題である要素が大きいことは言うまでもない。
またプログラミングなど用途によっても違ってくるだろう。
イメージ的にはUS配列を使いこなせれば、「できる」イメージを持っていたが
それは幻想だった。
仮にある程度使いこなせたとしても、この先JIS配列のキーボードに触れることから
避けられそうにないだろうし。
残念ながらUS配列がJIS配列を上回る要素は一つとして見出すことはできなかった。
高い授業料にはなったが、試してみたことで踏ん切りをつけることができたのは
収穫だったということにしよう。

 

ファミリー・アフェア - 村上春樹 「妹」の存在

村上春樹の作品としては珍しく妹が登場する。

主人公とこの妹とのやりとりがまるで夫婦然としてなかなか面白い。

 

妹と妹の婚約者に同じ言葉を投げかけるのだが、これが印象に残った。

「良い面だけを見て、良い事だけを考えるようにするんだ。そうすれば何も怖くない。悪いことが起きたら、その時点でかんがえるようにすればいいんだ」

「うまくいかなかったら、その時点でまた考えればいいんだ」

 

すごくまっとうな科白だ。

 

この作品を読むと、しばらくあっていない妹に会いたくなる。

 

パン屋再襲撃 (文春文庫)

パン屋再襲撃 (文春文庫)

 

 

象の消滅 - 村上春樹 象はなぜ消滅したのか?

久しぶりに「パン屋再襲撃」を読みたくなって手にとった。
この短編集の2話目に収録されているのが「象の消滅」。

 

パン屋再襲撃 (文春文庫)

パン屋再襲撃 (文春文庫)

 

 

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2005/03/31
  • メディア: 単行本
 

 

ごく簡単にあらすじを記す。
動物園の経営難により行き場のなくなった老象が、紆余曲折の末に町に
引き取られることになる。
しかし1年ほど経ったある日、飼育係ととともに忽然と姿を消してしまう。
そこには特段の理由も見当たらない。
不条理ではあるが、象は突然になんの前触れもなく消滅したのだ。

 

この作品で印象的なのは、象と飼育係の親密さだ。
それも人前では見せないのだが、二人だけの時にそれは現れる。
例えば、象が飼育係に対して行う、「鼻を振って背中をとんとん叩く」
動作に現れている。
そこには二人?だけにしかわかりあえない親密さがあり、言い換えれば
キズナがあるのだ。

一方で、「人々」は便宜的な世界に生きていて、統一性を重んじ合理性を
追求することを優先する。
そこはややもすると「疲弊した軍隊」を想起させるような世界だ。

ちなみに象の食料源は小学生の残飯に頼っている。
その見返りにというわけではないのだろうが、日常的にスケッチの対象に
なったりするといった関係で、なんとも滑稽だ。

つまり小学生にとって象は、自分の食べ残しで命をつなぐ一方で、
スケッチの対象になってくれる存在というわけだ。

そして主人公にとっての象は、「心をそそる存在」であり、プライベートな時間の
象の様子に心を惹かれる存在として捉えられている。

 

象が消えたことはもちろん衝撃を持って人々に伝えられたが、どちらかというと
恐怖、不安の対象ということであって、人々はいなくなった悲しさや寂しさ
については無頓着である点を見逃すわけには行かない。

象が消えた理由は明示されないが、自分は消えるべくして消えたように思う。
主人公は消滅した理由を漠然とではあるにせよ、思い当たるのだろう。
それは最後の断定的な1文からも見て取れる。
「彼はらもう二度とはここに戻ってこないのだ。」

 

もしパラレルワールドがあるとするならば、そこで二人仲良く、いつまでも親密に
過ごしてほしいものだ。

 

書評:幻夏 太田愛 ★★★★★

「犯罪者」に続いて読んでみた。

前作よりも話が凝縮していて、分厚さに反して一気に読んでしまった。

時間軸の長さもそうだが、予想の裏切られ方が秀逸だ。

久々に読んだ推理モノの中でもあたりだった。

 

幻夏 (角川文庫)

幻夏 (角川文庫)

 

 

Amazonのレビューを見ていると、前作を読まないとよくわからないという意見が散見されたが、あまり気にする必要もないように思った。特段前作からの続きという要素も薄く感じた。

 

「天上の葦」というのが次作だが、少し長編小説に読み疲れたのでひとまず休憩。

 

天上の葦 上 (角川文庫)

天上の葦 上 (角川文庫)

 

 

 

 

書評:犯罪者 太田愛 ★★★☆☆

太田愛の「幻夏」という作品の評判がいいとのことで興味を持ったが、
レビューを読んでいると、その前の作品「犯罪者」を先に読んでおくと
話がわかりやすいとの記載が目立った。
そのため、ちょっと遠回りだとは思ったが、「犯罪者」を読んでみた。
作品としては上下巻(文庫)に分かれていて、それなりのボリュームがある。

 

犯罪者 上 (角川文庫)

犯罪者 上 (角川文庫)

 
犯罪者 下 (角川文庫)

犯罪者 下 (角川文庫)

 

  たまにひっかかる表現があったり、登場人物が多いということで、思いの外
時間がかかった。
ただ特段難しいというわけではない。

 

話が進むにつれ、徐々に話の輪郭が現れ、点が線になっていく様はなかなか
巧妙だと思った。
ぐいぐい作品に引き込まれていく感じだ。
話のテーマも多重化している。
・政治と企業の癒着
・警察の腐敗
・謎解き
・組織的な犯罪隠蔽
・被害者の闘い

 

自分はやはり謎解きの要素が一番興味を惹かれた。
「犯罪者」を読了したので、ようやく本題の「幻夏」に臨みたい。
こちらも期待できる作品だ。

 

幻夏 (角川文庫)

幻夏 (角川文庫)