書評:「経営者の条件」 P.F.ドラッカー

久しぶりに読み返してみた。
抽象度が高い内容で、即効性は高いとは言えないが、逆に言うといろんな場面に効くともいえる。
自分の仕事ぶりを定期的にチェックするときに活用できる、有益な一冊である。

 

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ドラッカー名著集1 経営者の条件

 


本書の特徴的な点は、ドラッカーの時間に対する考え方だ。
「時間は普遍的な制約条件」とし、時間の使い方を計測することから始めよと説く。
たしかに時間そのものは皆平等に与えられてはいるが、その密度は人によって
大きく違うと言える。
さらには何に時間を使うかによってもその意味合いは変わってくる。


自分の場合に当てはめてみると、できるだけイシューに時間を使いたいと常々
思ってはいるが、実際には
・急な問い合わせへの対応
・忘れてしまった旧い案件の再確認
・必要になった書類やメールの検索
などなど、およそイシューとは程遠いことに結構な時間をとられているのが
現実だ。
ドラッカーの言う通り、まずは作業時間を計測し、何にどれだけ時間を使っているかを
冷静に確認し、改善策を立てていくのが、遠回りに見えて実は近道だ。

ドラッカーの言っていることは当たり前と思われることも多いが、実は結構できていないことも多い。
書かれていることを改めて深く考え、内省することで得られるものは少なくない。