書評:サピエンス全史 下 →人間必読の書
読了した。
わりとこまめにスキマ時間を使ったり、通勤時も持ち歩いたので、思ったより早かった。
下巻では宗教や帝国などある程度予備知識がないと引っかかる箇所が多く、気づくと同じところを目で追っていたり、意識が飛んでいたりとなかなか没入するのが難しかった。
しかしそれでも自分の知らなかったことや気づきを得られる楽しさは替え難く、自然と続きを読みたくなることは間違いない。
ひとことで言うと、パラダイムシフトを体験できるということだ。
そして終盤の内容はなかなかショッキングでもある。
ネタバレしてしまうので書かないが、一動物に過ぎなかったホモ・サピエンスが地球の支配者になっていく過程は感慨深い。
しかしその地位も実は安泰ではなく、やがてはホモ・サピエンスにとってかわるものが現れるのかもしれない。
久しぶりの長編だったが、ロマン溢れる大作で、評判が高いことも頷けた。
変な言い方だが、人間なら読んでおくべき一冊だとすら言っても過言ではない。
なぜなら自分自身の生い立ちがこのわずか2冊の書籍に凝縮されているからだ。